
質感・金の輝きが映える重ね塗り手法の「黒彩」
このコーヒーカップは、九谷焼はもちろん、他の焼き物でもあまりみない底の深い色合いです。よく見ると、とてもたくさんの色が使ってあり、深淵で実に神秘的です。個々の技法は下地の凹凸や表面の色・金・黒、すべて九谷焼の上絵の技術を使っていますが、全体としての手法は、北村が独自に作り出した新しいものです。
これは、「黒」に「彩る」と書いて「こくさい」と読みます。一度下地に黒を塗り、そこから色を重ねていくことから北村がこの名前をつけました。
黒彩コーヒーカップ ソーサ付き 緑/紫/赤
印刷では、黒にも、黒地にいろいろな色の重ね合せによるどっしりとした深い色合いになる「リッチブラック」があり、赤色に黄色を重ねることにより艶のある色合いになる「金赤」があるように、何度も色を焼き重ねていくことでの色の深み、表面の質感・金の輝きが映えるという、北村独自の焼き物の重ね塗り手法が「黒彩」なのです。
しっとりとおちついた気品を感じさせてくれます。
九谷焼の絵付けを施すと、通常コーヒーカップでさえ純和風になってしまうものですが、九谷焼の技法を駆使しているにもかかわらずこのコーヒーカップは和にはなっていません。
一度下地に黒を塗り、そこから色を重ねていく北村独自の焼き物の重ね塗り手法「黒彩」。かといって、洋でもなく、重ねて塗られたさまざまな色合いが、調和されてしっとりとおちついた気品を感じさせてくれます。
まさに北村がめざしている「北村の九谷焼」の現在の答えがこの黒彩なのでしょう。
コーヒーカップは特にこだわりたいものです。自分用でもいいですし、大切なお客さんが来た時にでも、九谷焼のこんなカップがあるのですよと出して、この黒彩の作品の輝きと深みを楽しんでほしいと思います。








