
精緻な日本画を白い磁器のキャンバスに描く
四季おりおりの草花が5種類描かれている普段使いの皿。道端に咲いている何気ない花や草木のありようを表現しているので、四季折々の季節の移り変わりを感じ取ってほしいと宮本は語る。九谷焼なら、当たり前のまわし(皿の周囲に丸くあしらわれている文様)を使っていないためか、一見洋風な感じさえしますが、ひとつひとつの技法は、九谷焼の伝統の技法を使っています。まわしがないので、たっぷりと余白がありますが、よほどの力量がないと、余白をうまく処理できずバランスを崩してしまうもの。宮本は、絶妙のバランスで一分の隙のない緊張感のある世界を造り出しています。
鉄仙は、花を柔らかく見せるために部分的に金箔を使っています。
日々の食卓を華やかに。
完成度の高さはバランスだけではありません。九谷焼とは、輪郭を描く黒い呉須に塗り絵のように色を埋めていくものですが、窯に入れて色を定着させるので、よほど、気を配って絵付けをしても色にむらができたり、呉須からはみ出たりするものです。焼き物というものは本来、窯に入れたら、「後は野となれ山となれ」というような賭博性があるものなのです。しかし、宮本の描く花の花びらには、「むら」はなく、柔らかい光をうけて微妙に変化する陰影が、絵の具のクラデーションで表現されています。塗り絵ではなく、精緻な日本画を、コントロールの極めて難しい磁器の絵の具を使って、白い磁器のキャンバスに描いているのです。
特に鉄仙は、花を柔らかく見せるために輪郭に呉須ではなく金の線を細く引いて、金箔を部分的に使っています。一見、金を使っているようには見えませんが、効果的に金のやわらかさが引き立ち、上品でおちついた雰囲気を造り出しています。
5種類の絵柄がありますから、家族ひとりひとりのMy皿として、使って欲しいと思います。また、この皿は、和食はもちろんのこと、カレーやグラタンなど洋風なものまで、なにを盛っても合う盛り皿ですから、普段使いをして日々の食卓を華やかにしてもらいたいものだと思います。














