
自然に学び、本質を見極め、形に落とし込む
ほとんど真下を向いての陶彫が宮本のスタイル。宮本直樹さんは彫刻家であるとともに、九谷焼の窯元の二代目でもあります。宮本の育った石川県小松市の陶彫の町・八幡には、当時15件窯元があり、宮本も粘土遊びをして人形や動物をつくり、登り窯でかくれんぼをして窯の中に隠れて遊んだといいます。父も陶彫専門の焼きもの屋でしたが、父が独立してからは自分も本格的にやりたいと考え、サラリーマンをやめて6年間粘土を使った彫刻「彫塑」の先生の内弟子になって学びました。先生は、「自然に学べ、自然をよく見なさい。」繰り返し教えてくれたといいます。自然に学ぶということは、ただ、正確に描写するということではありません。絵を描く人が、よくデッサンをするように、彫刻でも、対象のものが例えば馬だったらどういうふうになっているのかをよく観察します。観察した上で、そのモチーフの持つ動きを含めた本質を見極め、その特徴を強調して形に落とし込んでいくのです。
九谷焼の陶彫の作家としては第一人者の宮本ですが、より高い芸術性を求め続けている宮本は、心は今でも弟子入りをしていた頃の塾生のままで「本当に満足出来る作品が未だにつくれていない」と話します。「足りないものは技術ではなく心、もっともっと意識を高めていかないと・・・」と話す宮本のあくなき挑戦はやむことはありません。
















