
やさしい表情と高い完成度の釈迦如来坐像
この像のやさしい表情と彫刻としての完成度の高い表現力はなんと表現すればいいのでしょうか。仏像というのは、本来、宗教的なものです。しかもこの像は、仏教の開祖「釈迦如来」の像です。にもかかわらず、この像からは、いかにも仏様という「抹香臭さ」ではなく、ギリシャ彫刻などにもつながる品格と神々しさがあります。このように感じるのも、彫刻を基礎からしっかり学んだ彫刻家としての完成度が成せる技でしょうか。
宮本の作品は、小さなサイズであるにもかかわらず、お寺にあるような大きな仏像にそのまま引き伸ばすことが出来るくらい、細部までしっかり彫りこまれていることが特徴です。そのため、衣には釉薬を施していますが、特に精緻さを要求される頭部は、細部をしっかり表現したいので釉薬をかけていません。
陶土も、九谷焼の土である花坂陶土をメインにして調合された土を使っています。それもねばりがあり、手びねりをしやすい旧式の杵つき型のスタンパーを使った土にこだわっています。
どこまでも深く、どこまでもやさしい表情
とにかく、この表情を感じ取ってください。これは強制することではなく、見た人ひとりひとりが感じることです。作品とは、それを作った作家そのものであると言われていますが、そうだとするならば、宮本はただ者ではないと思ってしまいます。どこまでも深く、どこまでもやさしい。宮本直樹の仏様の表情を見た時、国宝第一号・広隆寺の弥勒菩薩像のあの深遠な表情を思い浮かべてしまいます。善も悪も、生も死も、宇宙に起きているすべてのことを知っているかのような慈愛に満ちた表情。
この像は、礼拝の対象としてはもちろんですが、大宇宙をも貫くゆるぎのない存在をもイメージすることができる、やすらぎと潤いをもたらすインテリアとしてお勧めしたいと思います。
どこまでもやさしい慈悲に満ちた表情。










