
自分で形をつくり、自分で絵をつけるのが醍醐味
好きな形を自分で頑固に造りつづける。形を手作りし、手書きで絵を付けるという、全部自分で一貫して作品をつくるということをコンセプトにしています。
24歳まで普通のサラリーマンをしていましたが、どうしても九谷焼をやりたいと考えこの世界へ飛び込みました。そして、九谷焼技術研修所や水墨画を習いながら、独自の陶芸の世界を追及し続けてきました。
実は、九谷焼というのは、形を作る人と、絵を描く人とがほとんどの場合分業化されています。この分業の進んでいる九谷焼業界でおいても、頑固に、好きな形を自分でつくって、それにあった絵を自分で描いています。これこそが陶芸の面白さであり、醍醐味です。
最終的には、使っている人が喜んで使っていただけるというのが目標で、「佐藤さん、この器、とてもよかったわよ」と言っていただけるのが何よりも嬉しいのです。押入れの中で眠ってしまうようなものではなく、生活に根づいた普段使いの器を作りたいと願っています
絵にいきいきとした生命を吹き込む
グラデーションによって、生き生きとした躍動感が生まれる。一般的な九谷焼の色とりどりの鮮やかな絵付けは、下書きをしてそこに塗り絵のように重ね描きをしていく手法ですが、温度の高い本窯で使える絵の具は限られていて、呉須、釉裏紅などの絵の具があります。いずれも、渋い深みのある色合いが特徴ですが、もうひとつ、筆の軌跡がそのまま残ってしまうという特徴があります。つまり、水墨画のようなやり直しのきかない一発勝負の世界です。しかし、逆にこれが筆の運びでグラデーションを表現できることとなり、花や葉などのモチーフに新たな命を吹き込むことができるのです。
やり直しがきかないので、線に勢いがあり、太い筆で書いたもののグラデーションにも生き生きとして躍動感がでてきます。
これが、付立画法と呼ばれる手法で、原稿を読み上げるだけの演説より、原稿なしでアドリブを交えながら話す演説の方が感銘深いのと同じように、一発勝負の緊張感で描かれた線は、いきいきとして伸びがあります。
深い青紫の色合いを出したい
現在、自分で調合した釉裏紅という絵の具の色の探求をしています。
釉裏紅とは、独特の渋い赤の色合いが特徴ですから青の色はできません。しかし、ある時、いろいろ試行錯誤する中、失敗作でたまたま、深い青紫を出す事に成功しました。この際はたまたまでしたが、これを安定して出す事が出来ないかと考え取り組んでいます。この深い青紫ができれば、もっともっと表現力を持つことが出来るのではないかと思っています。この深い青紫を安定して出すことができたなら、この色にあった土づくりから始めて、新たな作品づくりをしていきたいと思っています。















